「ケーキの切れない非行少年たち」を読んだ。
タイトルに内容が要約されており、少年院にいる男子を更生させる仕事をしている著者によると、非行少年はケーキが3等分に切れない子が多数派だという。
本の中では露骨な表現は避けられているが、要するに、非行少年はケーキを3等分にできないぐらい頭がよくない。
だから非行に走ってしまうのだ、と。
いや~、読んでたら思い当たることが多すぎてさぁ…。
非行少年たちは知能がギリギリ
もちろん例外はあるのだろうけど、非行少年たちは総じてIQが低い。
正常の範囲内ではあるが、平均よりは著しく劣る。
知的障害ではないので、一般人と同じように生活しなければならない。
それがキツイ。
例えば、「1000-7」のような簡単な計算ができない。
仮に「993」と答えられても、「ではさらにそこから7を引くと?」と聞くと、もうお手上げだ。
これでは、学校では授業についていけないし、仕事についても仕事ができない。
先生や上司の言ってることがわからないだろうし、もちろん覚えることもできないだろうからね。
そうして社会に居場所をなくし、悪い仲間と付き合うようになったり、倫理観をなくしたりして、非行に走る…と。
超ざっくり言うと、本の内容はこんな感じ。
夜の世界の住人にも、いたかもしれない
読みながら、大学時代に歌舞伎町でホストのバイトをしていたときのことを思い出した。
同じホストクラブに22、3歳ぐらいの、よく仕事を教えてくれる先輩がいたのだが、その人が何の計画性もなかった。
信じられないぐらい、なかった。
「金がない、ない」としょっちゅう言っていたのだが、ある日コンビニに行くと「あ、ジャンプだ」とジャンプを買った。
そうして2、3分歩きながら読んでいたのだが、「飽きた」と言って道端に捨てたのだ。
衝撃だった。
なぜ金がないのに、ロクに読みもしないジャンプを買ったのだ?
立ち読みでもすればよかったではないか?
あと、お客さんの話。
風俗に勤める女性とメールのやり取りをしたことがあるのだが、日本語がおかしいのだ。
例えば、「を」が「お」になる。
「犬を病院につれていく」が「犬お病院につれていく」だったりね。
あとは、「いちおう(一応)」が、「いちよう」とかね。
その頃は「バカっているんだなぁ」なんて失礼なことを思っていたのだが、今にして思えば彼や彼女も同じだったのかもしれない。
つまり、一見普通に見えるけど、普通に生活するには知能がギリギリだったのではないかと。
もしかして、会社の人もそうかもしれない
さらに思ったのは、「会社の一部の人もそうかも」ということだ。
オレは人事にも関わっており、入社前に簡単なテストをやって結果も見るのだが、簡単な計算ができない人は結構いるのだ。
失礼かもしれないけど、わかりやすいので具体的に書かせてもらおう。
ウチの会社は製造業で、現場の人には偏差値40ないぐらいの高卒の方もいる。
そういう子の一部は、本に書かれていた「1000-7」を「1007」と回答するぐらいのことをする。
会社では、「自分で考えよう」と逐一言っているのだが、そういう子にそんなことを要求するのはムリかもしれない。
言われた仕事を理解し、やるだけでも精いっぱいかもしれない。
オレにとって「ケーキの切れない非行少年たち」は、遠いようでそうでもないかもしれない内容だった。
一部の人との接し方を考え直さねばならないのかもしれない。
ブログにわけのわからん批判をする人とかも、同じような気がするし。
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