会社での役職が上がって、社員の給料を決める立場になった。
給料決めてて思う。
給料を上げても、そんなに意味がないと。
社員の側もそう。
給料が上がっても、実はそんなに意味がない。
順を追って説明しよう。
給料が上がってもすぐに慣れる
例えば、すごく仕事ができる優秀なAくんがいたとする。
会社としては、Aくんには間違っても辞めてほしくないし、出した成果にも報いてあげたい。
だから、みんな月に5,000円の昇給なのに、Aくんだけ50,000円昇給させたとする。
Aくんも喜ぶ。
しかも給料の話ってなぜか水面下で広まるので、自分だけが多く昇給していることを知ってなおさらだ。
だが、喜ぶのは最初だけ。
すぐに慣れる。
なぜ慣れると言い切れるか?
見ればわかるんだな、これが…。
給料が高くても不満が出る
Aくんは毎年、月に50,000円ずつ昇給する。
最初こそ喜んでいたものの、2年目ぐらいからそれほどではなくなり、3年目になるともうそれが当たり前のようになる。
そして4年目。
優秀な人もずーっと優秀でい続けられることはそうそうなく、その年Aくんに目立った活躍はなかった。
なので、みんなと同じ月5,000円の昇給にした。
するとどうなるか?
まず間違いなく、Aくんから不平不満が出る。
彼は今まで特別高く昇給してきた。
今年が普通だけだったし、それでも給料自体は他の人よりだいぶ高いのだが、そんなことは関係ない。
今までと同じぐらい昇給しないと、イヤなのだ。
いくら多く給料を払っても、人はすぐにそれが当たり前になる。
いつまでも会社に感謝することなどなく、すぐに慣れてしまう。
そしてたかが1年昇給が少ないだけで、不満に思うようになってしまう。
給料は中の上以上なら、みんなそれなりに幸せ
人ははたから見てどんなに高い給料でも、すぐにそれが当たり前になる。
同じぐらい給料が上がり続けないと、不満に思うようになる。
だが現実問題、人より多く昇給し続けることなどありえない。
個人にも会社にも波があるからね。
だから、あんまり給料が高いのもどうかと思うのだ。
どうせすぐにそれが当たり前になるだけだし、昇給のペースを維持するのが難しい。
また現実問題、そんなに給料が高くなくても生活には困らない。
下手に高いと変なぜいたくを覚える可能性があるけど、別にぜいたくしなくても十分生きてはいける。
結局さぁ、大企業のようにみんなをちょっとずつ昇給させるのが正しいんだよ。
ちょっとずつならそんなにムリがないし、下手にいきなり給料を上げてそれが当たり前になってしまうようなこともない。
ただ給料が安すぎると生活が困窮するみたいな話になってくるので、中の上ぐらいで毎年ちょっとずつ昇給っていうのが、不平不満が一番少ないやり方だね。
そう、大企業はまさにそのやり方だね。
給料一つとってもそうだけど、大企業のシステムはよくできてるよ。
歴史が長く、従業員も多いからか、人のことを良く考えられてる。
大企業みたいに、世間から見て中の上ぐらいの給料で毎年ちょっとずつ上がっていくのが、会社員にとって一番いいと思うよ。
給料上げる側になって、心からそう思う。