たまたま「王様のブランチ」見てて気になった小説を読んだ。
「その日、朱音は空を飛んだ」という、高校生が自殺しちゃう話。
本の中で、結構スクールカーストについても触れられてて、なつかしい気持ちになった。
そうそう、オレの高校でもあったわ。
当時、そういう言葉はなかったんだけど、漠然とイケてる人、普通の人、イケてない人に分かれてた。
ほぼ見た目でね。
オレは最下層にいたね。
江戸時代で言うと、士農工商の下の「えた・ひにん」だな。
スクールカーストの最底辺とは?
別にオレがブサイクすぎるって話じゃなくて、いつも同じ2~3人とだけいて、クラスの他の連中とほとんど付き合わなかった。
普通の人って、スクールカーストの上位の連中に取り入ろうとしたり、憧れたり、たまに嫉妬したりってのがあるじゃない?
そういうのはなくて、もう一切合わせる気なしっていうスタンスだったな。
イケてないというより、傍から見れば暗すぎるというか、何考えてるかわからないというか、とにかく付き合いづらくてなんとなく不気味、あんまり関わっちゃいけないって感じだろう。
まぁ、「えた・ひにん」だ。
結束は固いから普段はいいんだけど、4~5人のグループ作れとか言われると困るんだよね。
1人2人、イケてないグループから調達できればいいんだけど、バラバラにされることも多いんだ、これが。
スクールカーストを外から見ていた
そんなわけで、オレは基本的にはスクールカーストの外にいた。
そんとき、いつもの友達とよく話してたのよ。
「あいつら、大変じゃないのか?」って。
あ、スクールカーストの中にいる奴らのことね。
実際はそんな心配するような話はしてなくて、バカにしてたんだけどね。
上位の奴に取り入ろうとしたり、そのグループにいるためにバカなことを言って笑いを取ろうとしたり、ほとんど話してないのにただその場にいて一緒になって笑ってたりが必死に見えてさぁ。
なんかこう、上に行けそうだけど行けないちょっとおしいルックスの奴とか、ルックスから考えるとそこにいるのがおかしい奴とか、一応そのグループにいるけど話が面白くないとかでちょっとバカにされてるような奴ほどそんな感じ。
そういう奴が、たまにオレらに話しかけてくることもあるんだよ。
そんなことがあるたびに話してた。
「あいつ、オレらよりはマシだと思ってんな。」
「オレらとも話せる奴だって印象付けたいんだな。」
ってね。
ちょっと前まで、「オレも考えすぎだったな、てか性格悪すぎだろう」なんて思ってたんだけど、どうやらそうでもなかったと冒頭に紹介した小説読んで思ったわけよ。
オレらの意見が実は当たっていた
オレらがそんとき話してたことが、まさに小説の中で起こってた。
イケてるイケてないごときで本当に必死だったり、自分でもイヤなのにイジられキャラになってそのグループにとどまろうとしたりする奴が出てくんだよ、ホントに。
そんなに学校の人間関係って複雑なのかよ?
おいおい、大変すぎるだろ?
オレ、高校嫌いだったんだけど、そんな悪くないんじゃないかって気がしてきたわ。
友達は少なかったけど、だれかに取り入るような気はぜんぜん使ってなかったからね。
大変だな、学生生活って。
外見だの、話が面白いかどうかだので、上だの下だのと比べられるなんてたまったもんじゃねー。
そこに入らないで済んだのは、よかったのかもしれん。
そして、その経験が今にも生きてる気がするしね。
スクールカーストの最底辺にいて、よかったわ。