しかし、『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』は名著である。
心理学の本を読んで漠然と知ってはいたが、「それを現実に落とし込むと、なるほどこうなるのか…」と納得することが多々ある。
そんなわけで、この本からの気づきをもう一つ。
上司には、好かれなければならないという話。
人は「自分は好き嫌いでは判断していない」と思いつつ、好き嫌いで判断している
仕事をしている人なら、上司が部下を好き嫌いで判断しているような気はすると思う。
だが当の上司はそうは思っていない。
好き嫌いではなく、正当に判断していると思っている。
無意識に、好きな部下は仕事ができる、嫌いな部下は仕事ができないと決めつけてしまっているのだが、上司自身はそれに気づかない。
上司がバカなのではなく、人間はそういう生き物なのだ。
思えば、オレもそうだ。
好きな部下のことは、
「仕事が遅い気はするけど、素直なところもあるからなぁ」
とかなんとか、知らぬ間に良いところを探している。
さらには、「自分で勝手に仕事するより、素直な奴のほうがいい!」とまで決めつけてしまう。
逆に嫌いな部下のことは、
「決められたことをやりはするけど、いつまでも昔のやり方にこだわるし、不愛想だから話しかけるのもイヤだし…」
と、悪いところばかり目につく。
よくよく考えると、素直な部下は仕事が遅すぎて、いつもオレが手伝う羽目になっている。
嫌いな部下は、やり方はどうあれ決められたことはやってるので、オレが手伝う必要はない。
どちらかというと、嫌いな部下のほうが仕事はできている。
しまった!
オレも思いっきり好き嫌いで判断してた!
…というぐらい、上司は好き嫌いで判断する。
「嫌われても実力があれば評価してもらえる」というのは、まずムリ。
嫌われたら、実力もないものにされてしまうからだ。
上司に好かれなければ、チャンスが回ってこない
ではなぜ、上司に好かれなければならないのか。
上司に好かれなければチャンスがなくなるからだ。
嫌いな部下に、出世や成長の機会になるような仕事は回さないし、提案されても高い確率で却下する。
「嫌い≒仕事ができない」なので、決まりきったこと以外やらせようなんて思わないからだ。
会社員が自力で仕事を作るのは、相当難しい。
上司に与えてもらうか、提案して上司にOKをもらわなければならないので、どうやったって上司の壁を突破する必要がある。
上司に嫌われていたら、至難の業だ。
チャンスがなければ、どんなに実力があっても伸びようがない。
畳の上で泳ぐ練習をいくらしても、実際に泳がなければ本当の実力はつかないからだ。
ということで、もう何が何でも上司には好かれなければならない。
ではどうするか?
上司に好かれるには、とにかく機会を作って話しかけまくる
上司に好かれるには、上司に話しかけまくる。
ただそれだけだが、効果は絶大だ。
心理学でいうところの「単純接触効果」というやつで、人は繰り返し接する人に好意を持つ。
接し方もそう難しくはない。
ムリに雑談などをする必要はなく、仕事のことを相談したり報告したりしまくればいい。
ちょっとしたことでも「どうしたらいいでしょう?」と相談する。
「〇〇はこうなりました」と報告する。
内容によってはウザがられるかもしれないが、ウザがられたらそういう話をしなければいいだけ。
ちゃんと相談に乗ってくれる、興味深く聞いてくれる話題ばかりするようにすればいい。
繰り返せば、イヤでもあなたは好かれる。
あなたの周りに1人ぐらいはいないだろうか?
妙に人懐っこくて、たまにウザいけど嫌いにはなれない、どちらかというと好きみたいな人。
あれがいい見本。
頻繁に自分に話しかけてくる人を、人は嫌いになれない。
まして話す内容がどうでもいいことではなく仕事なのだから、ウザがられるより「マメに報告してくるできる奴」と好かれる可能性が高まる。
よっぽど、「そんなこと聞かずに自分で判断しろ!」ということを聞かなければ問題ない。
聞いたほうがよさそうなことを聞き、報告したほうがよさそうなことを言えばいいのであり、意識してればそのぐらいはできる。
ということで、上司に好かれて出世しまくってくれ。
上手く行ったら、銀座で寿司とか奢ってくれ。
以上。