正月休みに邦画「かもめ食堂」を見た。
なんとなく、気分的に。
もう10年以上前の映画だ。
月日が経つのは早い。
ということで、久しぶりに見たのだが、、、
すごかった!
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安心して見られる理由
日本人女性がフィンランドで食堂をする中での、人々のふれあいを描いた話である。
まず出てくる人に大きな特徴がある。
全員、負け組なのだ。
日本人はみんな、独身のおばさんである。
小林聡美はまだしも、片桐はいり、もたいまさこは容姿も個性的すぎる。
全員、ワケありな雰囲気でもある。
フィンランド人は日本オタクのさえない若者、旦那に逃げられたおばさん、店をつぶしたばかりのおじさん。
極めつけに、食堂にほとんどお客さんが入っていない。
よくある勝ち負けの基準で言ったら、勝っている要素が一つもない。
しかもみんな、勝つ気すらない。
それで無意識レベルで安心することができ、「癒される」「ほのぼのしている」などと評されるのだと思う。
現代は勝った負けた、がんばって何かを成し遂げた系の話が多すぎて、みんないつの間にか疲れているのだろう。
なのに面白い!
言うなれば、負け組の人たちのささいな日常の出来事を描いているだけなのだが、これがなぜか面白い。
ちょっとしたギャグ。
思いやり。
そこからもたらされる、温かいふれ合い。
熱い話は一つもない。
話が重くなりかけると、ふいと話をそらしてしまう。
なのに、楽しい。
見ていて幸せな気分になる。
本来、人は勝ち負けなんか競いたくないし、努力も我慢もしたくないのではないか。
幸せになるのに最も必要なのは、人々との温かいふれ合いではなかろうか。
そんなことを考えた。
こんな映画はほとんどない。
気になる人は見るべし。