「魂の退社」を読んだ。
非常に感動したので、オススメしたいのだが、説明はしたくない。
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アフロヘアーの新聞記者である稲垣さんが、新聞社を辞めるまでの経緯…それがあらすじである。
その中で、「ここがよかった!」「共感した!」「その通りだ!」と説明的に羅列することもできる。
だが違う。
それでは何も伝わらない。
それどころか、どこかで聞いたことがあるような話ばかりで、陳腐さを伝えるだけになってしまうかもしれない。
表面的な説明では伝えられない良さ。
それこそがこの本の魅力だと思っている。
突然ワーーーっという勢いで涙が出てきて出てきて、どうにも止まらなくなったのである。
悲しいとか嬉しいとか、そういうことじゃないのだ。
あえて言うならば「無」であった。
しかし非常に激しい無。何だかわからないが、ただひたすらに、とめどなく何かが解けていく感じなのである。
原因は、はっきりしていた。おじいさんの笑顔に、やられたのだ。
前後の文脈を知らなければ、なんだかわからないかもしれない。
いや知っていても、論理的に説明できる話ではない。
だが、読めばわかる。
その状況で、そういうおじいさんに会えば、自然に涙が出てくるのが、感覚的にわかる。
いうなれば、論理ではなく感情に訴える。
それが「魂の退社」なのだ。
なにがよかったではなく、とにかくよかった。
非常によかった。
何となく感じるものがある人は読んでほしい。